虫唾が走るから、1回でいいから殴り倒したい。
けど、あとあと面倒なことになるから、全部無視。
豪みたいなイケメンは、そうそう世の中いないよ。
教室に入り、窓側の自分の席に着く。
イヤホンをして、窓の外を眺める。
すると、校門から女の子の大軍が移動してくる。
その中には、
「あ」
隣人の五十嵐って人が中心に居た。
ああ、見たことあるって思ったら、同じ高校だったのか。
チャイムがなるまで、机で寝た。
____
お昼の時間になって、あたしは弁当を机の上に出した。
「しーぐれ」
あたしの目の前に現れたのは、小暮柚姫(こぐれゆずき)。
隣のクラスの仲良くなった女の子。
あたしの真逆の可愛い女の子。
「今日も美人だねえっ!!!許さん!!」
可愛いけどちょっとうるさい。
逆に好きなくらいなんだけどね。
「悠真クンとはどーなの?」
「聞いちゃう、?」
ほんのり頬を赤らめて惚気話をする柚姫が、あたしは一番好き。
可愛いくて可愛くて可愛いから。
