あたしの髪は少し明るめな茶色で、胸のあたりまで伸びている。
その髪を片方に流す。
制服は、茶色のセーラー。
男子は黒の学ラン。
「忘れ物ねえか」
「うん。ない。」
茶色の革のスクバを肩にかけ、茶色のローファーを履く。
全身茶色。
スカートのプリーツの裏側は、深い赤だから、歩くと全身茶色じゃなくなるんだけどね。
豪の今日のスーツは、グレーのストライプ。ネクタイは紺のドット。
髪は後ろに流して、ツーブロを強調してる。
飾らなくてもカッコイイのは羨ましい。
オートロックだから、ドアを閉め、そのままエレベーターに乗る。
「学校は慣れたか?」
「お父さんみたいなこと言うね?」
「は?お前とそんな年離れてねえから」
「ふふ、うーん。慣れたけど馴染めてはないね。」
