朝起きると寝た時と何ら変わらない状態で寝ていて、あたしは静かにベッドから抜け、洗面所に行き、顔を洗った。



昨日とは違い、ちゃんと炊いてあったご飯を茶碗に盛り、簡単に目玉焼きとウインナーを焼き、ジャガイモはチンして、ブロッコリーは茹でて、皿に盛る。


一応納豆もテーブルに並べて、コンソメスープを置く。


この食材達は、豪が買ってきたスーパーの袋から調達した。朝ごはん用にいつも買ってきてくれる。



「普通、パンじゃねえかそこは。」



いつの間にか起きてきていた豪が、眉間にしわを寄せ、眠そうに片目だけやっと開いて、首に片手を当てて言う。

米粉パンを作れる機械もあるけど、あたしは断然パン派だ。




「ご飯の方が腹持ちいいでしょ」



「……まあ」



「パンが良かった?良かったとしてもありませんけどね?」



「お前、ホント白メシ好きな」



あたしは断然ご飯派だ。




「ホテルとかでパンはいっぱい食べてるでしょ?我慢してー」




「別に、お前のメシ美味いから何でもいいけど」




眠そうにリビングを出ていく豪。




「それにしても、寝癖すげーな豪」




あたしが口の悪いのは、豪とずっといるからだな。



朝ご飯を食べ終えたら、制服に着替える。


昨日、紙袋に入れたスーツはクリーニングに出す。そして、返ってきたら、あたしのクローゼットに入れておく。


豪は、この前家に来た時にクリーニングに出しておいたスーツを着て、香水を上に振り、シャワーを浴びるように付ける。


あたしも真似して付ける。