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黙々と、勉強をする俺。

というか、
先生が無言で算数を教えているんだけど、
一応 中身は大人ですので
10歳・・・っていたら、小学四年生ぐらいか??

余裕 余裕。

今日は一人だな。
いつもは同世代の子と一緒だったりするんだけど。

てか、この先生の問題、マジでひっかけ問題が多いっていうか
応用問題ばっかりだよな。
余計な言い回しばっかりしやがって。

まぁ、やることはやってたから基本はできていたんだけどな。

そんなわけで俺が静か~にもくもくと勉強をしていると
先生が 何考えているんだ・・・ というまなざしで見つめてくる。

何も考えてないけどな。

というか、この座学の先生 ことあることに
「アレッサンド王子は これくらいすぐに理解されてましたよ。」
なんて、すぐに比べるんだよな。
だから俺も 売り言葉に買い言葉で ちょっと反発してたんだよな。
たぶん「第一王子派」なんじゃね?

貴族の闘争はよくわからんが・・・
だって、俺 10歳だもんねー。(開き直り)


しいて言えば、これからどう生きるか考えてるけどな!

後継者争いまでして『王』なんてなりたくない。
この世界には魔法がある。といえば、『冒険者』だろ!

あぁ。
楽しみだなぁ。

もう少し大きくなったら
さっさと 町へ繰り出して、
冒険者登録とかして・・・モンスターとかもいるのかなぁ

ドラゴンとか使役できないかな。

あぁ。
楽しみだぁ。

そうだ、手紙書いておこう。
いつ逃亡してもいいように。父上あてにかなぁ。
俺が 好きで逃げるんだから
リィアや警備騎士とかに迷惑をかけちゃ いけないしなぁ。
あ、再就職の斡旋もお願いしなきゃ。

にやり、と笑うと、先生が びくっと身構える。
おっと、別に悪いこと考えていませんよ。

「・・・出来ました。」

もちろん、ところどころ間違えたぞ!
たぶん、10歳児の平均。
優秀すぎて
跡継ぎに選ばれたら 面倒だろ?

俺は別に『優秀』じゃないからな。
ただ、成人した知能が 10歳に入っているだけだからな~
今で、ハードル上げちゃって、
それ以上を もっと 成長とともに求められる、なんて御免だ。
どうせ、今 できるからと言っても大人になればただの人、ってやつだ。


そもそも、
兄のほうが優秀だし。