*
「だからね、入れる時に
少しだけオレンジの皮を・・」
「へぇ。さすがリィア様。
わぁ、香りが違いますね。」
リィアは同僚であるセーラに紅茶の入れ方を教えていた。
最近のフランチェスコ王子のお気に入りは
さっぱりとした紅茶だ。
幼いころから、
お世話をしてきたフランチェスコ王子。
ちょっと、おっとりして 頼りないかな?なんて思ってたけど
正式に、「王子付」になり
傍に使えるようになると、分かる。
彼の、計り知れない『力』が。
「リィア様。
あの・・・フランチェスコ様は大丈夫でしょうか・・・」
「セーラ。
心配いらないわ。」
フランチェスコ王子は、今は魔術の時間だ。
魔術の時間は
攻撃魔法や、魔力の放出が行われるため
彼女たちはそばにつかない。
代わりに護衛騎士である、騎士ビラットと騎士タイラーが付く。
リィアもセーラも自分の身を守れるくらいの
魔力や体術を学んでいるが
やっぱり、エリート騎士には足元にも及ばない。
逆に、邪魔になる。
「・・・いえ、魔術のことではなくて」
セーラの言葉に、リィアはくすっと笑う。
「セリィローズ様のこと?」
「えぇ。だって、あんなに仲良しで・・」
セリィローズ様とフランチェスコ様の婚約取り消し
というか、婚約者から候補への格下げ。
そのニュースは、みんな口には出さないが
動揺を誘った。
とくに、フランチェスコ王子に使えている侍女は
皆、ショックを隠せない。
ちらり、と お世話になっているモンレ公爵家の元同僚たちにも
聞いてみたがセリィお嬢様は
臥せって部屋にこもりきりだし、
彼女たちも、ショックを隠せないらしい。
「セーラ・・・フランチェスコ王子はなぜ婚約破棄を言い出したのかしら?」
確かに、最初 二人が出会ったのは
10歳の誕生会だ。
婚約者になったのは、その数日後。
セリィローズ様のモンレ公爵家からの申し入れだ。
王は、断ろうとしていたが、フランチェスコ王子の
「笑顔のキラキラした 女の子でしたよね?」
という、前向きな意見を聞いて婚約の許可を下した。
お茶会のあとのセリィローズ様が『一目ぼれでした』と言われた
と、報告を受けたときも恥ずかしがるようなしぐさを見せていたが
フランチェスコ王子は嫌がってはいなかった。
それどころか、『愛らしい容姿も、緊張した様子もかわいい』みたいな
感想を述べていたはずだ。
「フランチェスコ様。
お茶も、楽しそうでしたのに・・・」
セーラも不満そうに、「ですよねー!」
って同意をする。
「だからね、入れる時に
少しだけオレンジの皮を・・」
「へぇ。さすがリィア様。
わぁ、香りが違いますね。」
リィアは同僚であるセーラに紅茶の入れ方を教えていた。
最近のフランチェスコ王子のお気に入りは
さっぱりとした紅茶だ。
幼いころから、
お世話をしてきたフランチェスコ王子。
ちょっと、おっとりして 頼りないかな?なんて思ってたけど
正式に、「王子付」になり
傍に使えるようになると、分かる。
彼の、計り知れない『力』が。
「リィア様。
あの・・・フランチェスコ様は大丈夫でしょうか・・・」
「セーラ。
心配いらないわ。」
フランチェスコ王子は、今は魔術の時間だ。
魔術の時間は
攻撃魔法や、魔力の放出が行われるため
彼女たちはそばにつかない。
代わりに護衛騎士である、騎士ビラットと騎士タイラーが付く。
リィアもセーラも自分の身を守れるくらいの
魔力や体術を学んでいるが
やっぱり、エリート騎士には足元にも及ばない。
逆に、邪魔になる。
「・・・いえ、魔術のことではなくて」
セーラの言葉に、リィアはくすっと笑う。
「セリィローズ様のこと?」
「えぇ。だって、あんなに仲良しで・・」
セリィローズ様とフランチェスコ様の婚約取り消し
というか、婚約者から候補への格下げ。
そのニュースは、みんな口には出さないが
動揺を誘った。
とくに、フランチェスコ王子に使えている侍女は
皆、ショックを隠せない。
ちらり、と お世話になっているモンレ公爵家の元同僚たちにも
聞いてみたがセリィお嬢様は
臥せって部屋にこもりきりだし、
彼女たちも、ショックを隠せないらしい。
「セーラ・・・フランチェスコ王子はなぜ婚約破棄を言い出したのかしら?」
確かに、最初 二人が出会ったのは
10歳の誕生会だ。
婚約者になったのは、その数日後。
セリィローズ様のモンレ公爵家からの申し入れだ。
王は、断ろうとしていたが、フランチェスコ王子の
「笑顔のキラキラした 女の子でしたよね?」
という、前向きな意見を聞いて婚約の許可を下した。
お茶会のあとのセリィローズ様が『一目ぼれでした』と言われた
と、報告を受けたときも恥ずかしがるようなしぐさを見せていたが
フランチェスコ王子は嫌がってはいなかった。
それどころか、『愛らしい容姿も、緊張した様子もかわいい』みたいな
感想を述べていたはずだ。
「フランチェスコ様。
お茶も、楽しそうでしたのに・・・」
セーラも不満そうに、「ですよねー!」
って同意をする。


