フランチェスコ王子のお世話係。
侍女のリィア。


リィアは伯爵家の令嬢であった。
同じ、伯爵の幼馴染のもと17歳で嫁いで、翌年には第一子出産。
リィアと同じ深い緑色の髪の愛らしい男の子だった。
・・・その後、
伯爵は事故で帰らぬ人となる。

おおやけにはされていないが、
彼は、愛人との密会中に不慮の事故で死んだ。

もちろん、リィアもリィアの両親も激怒した。
彼の両親は 恐縮し 何度も謝ってきた。

しかし、リィアの怒りをぶつける相手は・・・もういない。
悲しみに、飲み込まれそうになるが
リィアはぐっと、力を入れた。幼い息子が腕の中で寝ている。
残された我が子と共に、
新しい生活を。

と思った矢先に手を差し伸べたのが
叔父である チェスターである。

公爵家に執事として仕えているチェスターは
かわいい姪っ子のために
居場所を用意し、新生活をサポートした。

もちろん、幼い彼女の息子とともに。

リィアはその公爵家のご縁もあり、王宮に出仕することができた。
最初は通いだったものの、
息子が立派に 8歳になり 寮がある学園に入るというので
リィアも正式に王宮付の住み込みの侍女となる。

そこで、正式に第二王子フランチェスコの専属、になったのだ。

その時、
フランチェスコ丁度10歳であった。