しってたか?
薬学って、生物学っていうか、そーゆージャンルなんだけど
朝顔のかんさつーーとか
ヒマワリの目が出て、双葉がでて、これが茎で・・
ってイメージじゃん?

この世界は「魔法」の世界だから
植物にも『魔力』ってのがあって、そこの魔力スポットを壊さないように
採取しないと
この「薬」になるような植物は採取できない。
種では魔力を十分に発揮できないが『ためる』ことができる。

何言ってるかわからない?

大丈夫だ、俺もわからん。

つまりだ、まったく未知の植物を
覚えるってことだ。

そういう時って、前世の記憶って邪魔だな。
あぁ、これとは違うのか、とか比べてしまう。

まぁ、この授業は主に「毒」対策のためだ。
ほらほら、王族って、わりと毒にさらされるじゃん?

知識だけでも、ある程度入れとかないとなって訳だ。

ちなみに、
講師である『ウルーチェ先生』は
赤色のフードをふかーくかぶって(目立つ!)
杖を持っている。
まさに、「魔女」って感じだ。赤いフードだけど。
年上だろうけど、老人、って感じでもない。
成熟した女性って印象だ。
まさに、年齢不詳。
不思議な感じのする ウルーチェ先生。


「というわけじゃな。理解したかい?フラン王子。」
「・・・はぁ。ウルーチェ先生・・・
 正直に言いますと、半分ぐらいしか理解していません。」

「・・・くすくす。
 正直すぎ、じゃよ??
 んーじゃぁ、とりあえず、この 花がダメだ、ということだけでも
 覚えて帰ったらいいじゃないかのぉ?」
「わかりました。」

うん、花ダメ。絶対。

ウルーチェ先生の講義は好きだ。
解りやすいし、冒険者になっても 使えそうなことばかりだ。

「・・・ところで、先ほどの守りの術、
 フラン王子が掛けたかい?」
「ん?あぁ、なんかいろいろ動きがあるみたいで、
 僕の、騎士ビラットが火の守りをかけてくれたんです。
 だから、僕も騎士ビラットに守りの術をかけてみました。
 習ったばかりなので、ちゃんと発動するかわかりませんが。」


「ふふふ。・・・フラン王子、あれは光の守りじゃよ?
 なかなか、騎士にかける保護としては貴重よねぇ?」

ウルーチェ先生は ふふふ と笑って 赤いフードを少し上げる。
ちらりとピンク色の髪が見える。

「あの、先生・・・実は、初めて守りの術というのをやったので、
 その術が、出来ているのかどうなのか・・・
 さっぱりです解りません。彼は強いですので(たぶんね!)
 必要ないかもしれませんが・・・」
「・・・王子、光の守りは・・・優しくて、強力で、残酷。
 騎士ビラットは王子の専属・・・か。

 専属だから この守りを?」

「いえ、十分に務めていただいてますが
 専属・・・僕に縛られると、大変でしょうから 
 正式な専属を持つ気はありません。」


そりゃ、人事異動ではくるだろうけどさ。
一応、俺、「王子様」だし。

あんな、精神も体も縛られる契約とか、受ける気はないな。
いや、マジであの陣はすごいって。
契約を受ける前に、発動させなかったけどさ。
一生、あなたのモノです。みたいなやつだぜ?無いわーー。

「・・・心許せる、側近と専属の騎士は、必要じゃよ?
 かわいい癒される、婚約者も重要ですがねぇ。」
「ははは。」

にこり、と 笑ってやる。
笑って返事を曖昧に返す。

ウルーチェ先生、何が言いたいんだろう。
赤いフードから見える口元はにやり、と笑っている。
目元は少ししか見えないけど、笑っているように思える。

「フラン王子、光の守りは魔力を弾くのよ。
 つまり、治癒の魔法や封印の魔法とかもはじいちゃうんじゃよ?」
「え?!騎士ビラット大丈夫かな!?」

「大丈夫じゃよ。困ったら王宮魔術師もいるし。
 きちんと『限定』のやり方を教えてないバームスが悪いわ!」
「いえいえ、バームス先生はキチンと教えていただいてますが
 僕が覚えていないだけで・・・すいません」


「あらあら。いい子だねぇ。フラン王子は。
 バームスの肩を持たなくていいわよ!!
 あいつは魔力の練り方や発動はセンスがあるんじゃが・・・
 教えるのには不向きだから、変態じじぃなのよねぇ。」
「あぁ・・・まぁ、」

納得してごめん、バームス先生。
ほら、出来る人ほど言葉が足りなっていうか・・・
まぁいい先生だけどね。ちなみにバームスってのは、魔術師のじぃちゃんだ。

「ウルーチェ先生はバームス先生と、仲がよろしいんですか?」
「あぁ、同期よ。同級生だし。」

え?!
さらっと、爆弾発言が出ました!