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この国では、
13歳から18歳まで義務教育というのがある。
希望すれば、高等教育課で20歳前後まで。大学院みたいなもんかな?
もちろん、貴族や裕福な平民は
それまでに 家庭教師や塾のような施設で読み書きを習う。

もちろん、そのほかの平民も小学校みたいな施設で
最低限の教育を受ける。

そして、貴族も平民も農民も
種族問わず、13歳になると、
「学校」に通うのだ。

学力の向上と、就職の斡旋。
魔力を持つものを優遇するための制度だけど、
少しでも魔力の頭角を現すと、
『貴族』として 優遇される。

ってか、貴族っていうと俺の認識とちょっと違っていた。

魔力や能力を国に献上して
恩恵を受けるって感じだ。

印象的には、公務員。

平民から『魔力もち』が生まれるのはまれだが、
魔力の認定を受けると
すぐに一代限りの『準男爵』の爵位が与えられる。

逆に、公爵でも魔力の低い子が家を継げば、
その家はすぐに爵位が下がる。
まぁ、温情はあるから、一代限りではすぐに平民というわけではない。

でも、二代続けてとなら
容赦なく、平民へと没落だ。
いくら領地もちだろうと、人望の評価が高くてもだ。

完全、魔力実力主義。っていう印象だなぁ。





「僕の、魔力は強いんですか?」

魔術の時間 講師に尋ねてみた。
ちなみに、王宮の筆頭魔術師だった、おじいちゃんだ。

「ふぉふぉ。ランチェスコ王子はどう思うかい?」
「えぇと。
 普通かな、と。」
相変わらず、光の球しか作れないし。
まぁ、小さくしたり大きくしたり 明るくしたり暗くしたり
なんて言う小技は使えるようになってきたんだけどね。

でも、ただそれだけなんだよな。

「ふぅむ。そうさな。
 そもそも、「光」の魔力が貴重なんじゃよ。」
「へー・・・って え?」

そうなのか?
ただ、光るだけだろ?みんなライトみたいな魔法使ってるじゃん。

「ふぉふぉ。
 光源としての『生活魔法』はみんな使えるじゃろうな。
 フランチェスコ王子のは「光の魔力」だから、貴重 なんじゃよ。」

わ、わからん。