どうやら、
魔法に使われている『陣』は
模様であり、その模様を間違えると発動しないので
みな苦労してその形を覚えるそうだ。

だから、変なところで、ひらがなと漢字が混ざってるんだな。


「そうか、
 これは「文字」なのか。
 だから・・・マリョクと魔力では力の発動が・・・」
「アレッサンド様。宮廷魔術師に告げたら
 すごい定義が変わるのでは・・・?」
「なるほど。そうだな。」
兄様はふむふむ、と興味深げにうなづいている。

俺がこれを読める理由としては、
ある日突然、
頭の中に ひらめいた!
と言っておいた。
転生とか、生まれかわり、とか
説明できないし。

ってか、ひらめいたから読める!
っていうのもあっさり信じられた。

稀にそういう「天声」を受ける神に愛された子がいるらしい。
ものすごい、音楽の才能に長けていたり、
数字に強かったり、何かしらの才能を与えられた子。

へーすごいっすね。
って感じだ。

「そうか、すごいな。
 フランチェスコ・・・さすが光の王子・・」
「いやいや、
 読めるだけだし。
 いつものようにフランって呼んでよ。アレク兄様。」
急にびっくりするわ!
ってか、なんだよ光の王子って逆にダサい!

「・・・フラン。
 君のほうが、次の王にふさわしい気が・・・」
「・・・いやいやいや、ってか、無理、無理。
 というか、読めることは内緒にしてよ?
 そこの、兄様の側近の青頭もっ!」


「・・・御意。」
相変わらず、睨まれた。

まてまて、なんだ、この展開。

「兄様、俺、これをなんとなーーく読めるだけだし?
 ただ、それだけ。
 それを実行できたのは兄様ですよ。
 俺、権力争いに巻き込まれる気は無い」

「ふふふ。フランは
 謙虚だな。頭がいいのか、要領が悪いのかわからないな。」
「ただの、バカだよ。
 冒険者になりたい、ただの子供です。」
にっかり 笑ってやる。


「俺の、こんな才能より、
 アレク兄様の『卵』が気になるんだけど。」
「あ、あぁ。そうか?」