***
なめてた。
マジで、なめてた。
全国の、小学生ごめん!ってぐらい
スケジュールが詰まってるし、やることも多いな。
体育がわりの剣術や魔術も まったくの未知の世界すぎて
逆に
この世界の10歳よりも劣るんじゃないか?
と思うくらい出来ない。面白いけどな。
勉強に関しても、確かに、
大人の記憶があるが、それがどうしたって感じだ。
一時間、家庭教師とみっちり座って
教えられるって結構な苦痛なんだな!
算数とかはまだ理解できるが この国の歴史、とか
生物学とか全然違うから
結局はがっつり、勉強しないとついていけない。
一応、鉛筆みたいなのがあるが
ペンを使っての字の練習みたいなのもある。
綺麗な字を書けないと印象が悪いんだと。
習字、みたいなもんか?
ピアノに似た鍵盤とか、笛とかのレッスンもあるし。
これを普通だと思って
こなしていた俺、スゲーな。
うん。自画自賛しないとやってられないから、
褒めておこうっと。
ていうか、最近はずっと一人で勉強してるからつまらないなー。
マーカーは体術と剣術しか一緒にしないし。
一緒に勉強していた ジョイルは
家庭の事情とかで、王都からいなくなって来れないみたいだし。
てかさ、意外にも笛が面白い!フューチュっていう
フルートとかに似たやつなんだけど、
高い音が出ると、鳥みたいな音だし低い音だと汽笛みたいだし。
おぉ、俺 音楽の才能があったのか。なんてな。
楽師に比べると 子供のお遊びだけどな。
庭へと続くテラスの窓を開放して
フューチュの 音階の練習をする。
「フラン。頑張ってるな。」
「あ。アレク兄様。」
庭から、ひょっこりと顔を出したのは兄である第一王子のアレッサンド。
黒い髪をさらりと・・・あれ?
「アレク兄様。
髪、切りました?」
いつも、きれいな黒髪を一つにまとめてくるくるっと
ひもで結んでるのに、今日はやっと肩にかかるほどの長さしかない。
「あーーー。まぁね。
ほら、フラン、何か聞かせて?」
「あぁ。まぁ。はい。」
誤魔化された。
そして、兄様のうしろの青頭に睨まれた。


