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この国「ルアーニル王国」は魔法の国・・・

というか、この「世界」には魔法や冒険が存在している。

あぁ、
なんだよそれ、ファンタジー!

いや、でも魔法がないと 生活に困るし。
あって当たり前なんだよな

なんて、フランチェスコ王子の記憶があるから
違和感と当たり前が 同居してて、
よくわからない感情になる。

王子って・・・俺が?
ウケる・・・って感情と、当たり前だろ
俺は「第二王子だ」という感情とが
混ざる。

あぁ、そうか、俺は「フランチェスコ王子」だ。
当たり前の感情に
思わず苦笑。



誰も見てないことをいいことに
ごろんと、床に寝そべる。

あぁ、侍女のリィアがいたらものすごい怒られるだろうけどさぁ。
なんか、どうでもいいーーー

ってか、俺、死んだのかぁ?
会社にあの仕事と・・・あぁ、企画書が・・
というか、父さんと母さん・・・弟も、いたな。

顔はぼんやりと思い出すけど
名前までは思い出せない。


一応、成人して社会人してた という記憶と、
この世界の記憶が混ざる。
成人男性だったことは覚えているが
今の精神年齢の10歳の
知識はあるが実感はない、って感じかな。


っていうか、
まぁ、これってチャンスなんじゃね?

魔法とか使って 
ひゃっほーってやつじゃね?


よしよし。

ここで前世を思い出したってことは、
きっとこの記憶を使って
この世界ではばたけってことだな。

よーし!!むしろ、ラッキー!と思って前向きになることにした俺。
そもそも、そんなに落ち込むとか
苦手だ。

ずっと、しっくりこなくて ぼんやりしていた疑問も
スッキリ晴れた感じがする。

とりあえず、
ぱっと立ち上がる。