*
ロックパティのひとりごと 上
*
「だーーかーーらぁ。
チェースは何者なのよぉ!」
せっかくの『お気に入り』が逃げて
ユリカは不機嫌に だんっと足を踏み鳴らす。
あぁ、かわいらしい。と思いながら
ニコニコしながらロックパティはユリカの頭をなでる。
「ユリカ。落ち着いて?」
ロックパティは小さな婚約者のユリカの手を取る。
一回りは差がありそうな二人だが実は同級生である。
ロックパティはそっとユリカの腰を取ってひょい、と持ち上げる。
元より彼の背は高くユリカも視線が高くなることを好いていたので
割と、この抱き上げるスタイルが定着している。
「もうっ。ロックパティは見当ついているんでしょう?」
「まぁねぇ。これでも『当主』なんで」
「おしえてよ!友達でしょ!」
「そうだねぇ。友達で婚約者だね。」
「私はまだ『成熟』してないもの!婚約は無理よ!」
「そうだね。かわいいよ?ユリカ?」
二人のやり取りを周りはハラハラしながら見守る。
彼らが婚約しているのは周知の事実だが「妖精族」の血が入っているユリカは成長が遅く心の成長も幼い。図々しく無礼を働いてもロックパティが『オトナの対応』で譲著してくれているのだ。
「いやはや。
天真爛漫な子じゃの」
「愛らしいでしょう?賢者ウルーチェ様。」
「ほれ、くる ぞ?」
くる? 何が? とロックパティが首をかしげた瞬間、
ぶわぁああぁぁっと熱風とともに、「騎士」が目の前に現れた。
やぐらの下の民衆には
何かの演出だと思っただろう。
うわぁああーーと歓声が上がる。
ウルーチェ様がにやり、と笑う。
「ほれ、手をふれ お前ら!!」
「え?」
「は?」
「ウルーチェ様??」
飛んできた三人の騎士はウルーチェ様に言われるがままに
櫓から手を振る。
戸惑っているようだが なんとなく、状況はつかめたようだ。
*
*
とりあえず、
祭りの進行を支持して、
ロックパティとその騎士たちは
屋敷へと案内した。
もちろん、ウルーチェ様も一緒だ。
「「お騒がせして 申し訳ありません。」」
深々と頭を下げ礼を取るのは王子専属の騎士だという
赤い髪の彼。深い緑の髪の彼。
ロックパティは苦笑しながら
定型文的な挨拶を交わす。
彼が、光の王子と言われる第二王子のフランチェスコ様だと知らされて
驚いたものの、あの 幻想的な光の術を見た後では
納得しかない。というのが本音だ。
「本当に、申し訳なく・・・」
側近だといわれた彼は
独特の魔力をまとわせていたのに、
ロックパティは一瞬戸惑うが、すぐに挨拶を返す。
「ははは。まーた出し抜かれたな!
ジゼの坊や。」
「・・・脱走を手引きしたのですか?」と
ウルーチェ様を睨みつける。
あぁ、ウルーチェ様が手引きしたのであれば
並大抵の魔術師や騎士では『追えない』だろうなぁ。
そんなことをぼんやり思いながら
ロックパティはとりあえず、どうぞ と お茶を進める。
メイドも緊張しているのがわかる。
ロックパティのひとりごと 上
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「だーーかーーらぁ。
チェースは何者なのよぉ!」
せっかくの『お気に入り』が逃げて
ユリカは不機嫌に だんっと足を踏み鳴らす。
あぁ、かわいらしい。と思いながら
ニコニコしながらロックパティはユリカの頭をなでる。
「ユリカ。落ち着いて?」
ロックパティは小さな婚約者のユリカの手を取る。
一回りは差がありそうな二人だが実は同級生である。
ロックパティはそっとユリカの腰を取ってひょい、と持ち上げる。
元より彼の背は高くユリカも視線が高くなることを好いていたので
割と、この抱き上げるスタイルが定着している。
「もうっ。ロックパティは見当ついているんでしょう?」
「まぁねぇ。これでも『当主』なんで」
「おしえてよ!友達でしょ!」
「そうだねぇ。友達で婚約者だね。」
「私はまだ『成熟』してないもの!婚約は無理よ!」
「そうだね。かわいいよ?ユリカ?」
二人のやり取りを周りはハラハラしながら見守る。
彼らが婚約しているのは周知の事実だが「妖精族」の血が入っているユリカは成長が遅く心の成長も幼い。図々しく無礼を働いてもロックパティが『オトナの対応』で譲著してくれているのだ。
「いやはや。
天真爛漫な子じゃの」
「愛らしいでしょう?賢者ウルーチェ様。」
「ほれ、くる ぞ?」
くる? 何が? とロックパティが首をかしげた瞬間、
ぶわぁああぁぁっと熱風とともに、「騎士」が目の前に現れた。
やぐらの下の民衆には
何かの演出だと思っただろう。
うわぁああーーと歓声が上がる。
ウルーチェ様がにやり、と笑う。
「ほれ、手をふれ お前ら!!」
「え?」
「は?」
「ウルーチェ様??」
飛んできた三人の騎士はウルーチェ様に言われるがままに
櫓から手を振る。
戸惑っているようだが なんとなく、状況はつかめたようだ。
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とりあえず、
祭りの進行を支持して、
ロックパティとその騎士たちは
屋敷へと案内した。
もちろん、ウルーチェ様も一緒だ。
「「お騒がせして 申し訳ありません。」」
深々と頭を下げ礼を取るのは王子専属の騎士だという
赤い髪の彼。深い緑の髪の彼。
ロックパティは苦笑しながら
定型文的な挨拶を交わす。
彼が、光の王子と言われる第二王子のフランチェスコ様だと知らされて
驚いたものの、あの 幻想的な光の術を見た後では
納得しかない。というのが本音だ。
「本当に、申し訳なく・・・」
側近だといわれた彼は
独特の魔力をまとわせていたのに、
ロックパティは一瞬戸惑うが、すぐに挨拶を返す。
「ははは。まーた出し抜かれたな!
ジゼの坊や。」
「・・・脱走を手引きしたのですか?」と
ウルーチェ様を睨みつける。
あぁ、ウルーチェ様が手引きしたのであれば
並大抵の魔術師や騎士では『追えない』だろうなぁ。
そんなことをぼんやり思いながら
ロックパティはとりあえず、どうぞ と お茶を進める。
メイドも緊張しているのがわかる。


