*
その日は至って普通の日であった。
天気も良好。
シャボンの警戒も良好。
ユリカお嬢様がいらっしゃるということで
屋敷内はざわついていたが
時間通りに
お客様が見える。
屋敷の二階の応接室からひょい、と下をのぞく。
「へぇ。あれが「台車」か。」
風魔法で浮かせてそのままスライド移動させているのか。
乗っているのは
ユリカお嬢様と・・・だれだ?
ぶわり、と
鳥肌が立つ。なんだ?
懐かしいような、
そんな魔力を感じる。
ちらりと見えた茶色い頭の
護衛・・・?にしては 幼いような気がした。
彼から 流れる魔力なのか?
明らかに、『知っている』と本能は告げているが
思い当たらない。
幼いころ 出会ってたのか?
屋敷のエントランスでは
ロックパティ様がお出迎えするだろう。
そのまま 応接室を整えて 隣で控える。
ジョイル坊ちゃんはそんなことしないでください!
とメイドに言われるが
出来ることならやりたいしな。
しばらくして、
「ジョイル!」
とお呼びがかかる。
ノックをして、いつものように
入る。
そこには、ロックパティ様とユリカお嬢様
そして見たことのない男・・・
僕と同じくらい・・・?茶色い髪に
ん?なんか・・・
なつか・・・しい?
感じたことのあるような魔力だ。
思わず「魔眼」で 魔力を見る。
な、なんだ? 靄が・・・かかったように
彼を隠す。
チェース
冒険者・・・
ぼんやり浮かぶ文字。
正体を隠している?
って、ほかのステータスが見えない・・というか
名前もかすんでいる。
・・・・っ。感じたことのある魔力。
強くて優しい・・・
彼の耳飾りを中心に彼を隠すようにその魔力がまとわりついている。
いや、まとわりついているんじゃない・・・
力の流れは おかしい。
僕がぶしつけに見てしまったからか、
彼は一瞬 戸惑うように 笑った。
きらり、と 光る耳飾り。
それを探る。
あぁ。わかった。
だから、
だから、
彼の力を 抑えている・・・のか。
あの耳飾りの力は「王宮魔導師バームス」様だ。
あぁ、懐かしく、知っているはずだ。
僕を・・・救ってくれた優しい魔力だ。
そうか。
彼はーーーー
**
****
温室を案内し
彼・・・冒険者チェースも、僕が「ジョイル」だと認識したらしい。
そっかぁ。と向けられた笑顔は
あの頃と、変わらない 笑顔だ。
お嬢様が 食事に同行せよというのを、
冒険者チェース様は断った。
「だから、はっきり言うと、一人になりたいんっすよね。
ずっと付き添うのも 気を張って大変なんで
そろそろ警備を交代します。」
はっきり言ったけど、
そうだろうな、と思った。
お嬢様の下から上から 結界で守っていて
常に遠視魔法まで使っているように見える。
お嬢様についている護衛も使っているから
お嬢様は一国の王ぐらい 『守られている』
お嬢様はぷりぷり 怒りながら 食事へと向かったが
風魔法を彼にぶつける。
とっさに結界を張るっ 間に合わないっ。
後ろに控えていた護衛が マントではじく。
よかった。間に合った。
魔力回復の お茶をもらってたようだけど
あの制度の術を 隣の領地からずっとかけていたのか
きっと魔力切れを起こす・・・。
どうしようか、と 迷ったのも一瞬。
僕は 彼の部屋をノックしたのだった。
その日は至って普通の日であった。
天気も良好。
シャボンの警戒も良好。
ユリカお嬢様がいらっしゃるということで
屋敷内はざわついていたが
時間通りに
お客様が見える。
屋敷の二階の応接室からひょい、と下をのぞく。
「へぇ。あれが「台車」か。」
風魔法で浮かせてそのままスライド移動させているのか。
乗っているのは
ユリカお嬢様と・・・だれだ?
ぶわり、と
鳥肌が立つ。なんだ?
懐かしいような、
そんな魔力を感じる。
ちらりと見えた茶色い頭の
護衛・・・?にしては 幼いような気がした。
彼から 流れる魔力なのか?
明らかに、『知っている』と本能は告げているが
思い当たらない。
幼いころ 出会ってたのか?
屋敷のエントランスでは
ロックパティ様がお出迎えするだろう。
そのまま 応接室を整えて 隣で控える。
ジョイル坊ちゃんはそんなことしないでください!
とメイドに言われるが
出来ることならやりたいしな。
しばらくして、
「ジョイル!」
とお呼びがかかる。
ノックをして、いつものように
入る。
そこには、ロックパティ様とユリカお嬢様
そして見たことのない男・・・
僕と同じくらい・・・?茶色い髪に
ん?なんか・・・
なつか・・・しい?
感じたことのあるような魔力だ。
思わず「魔眼」で 魔力を見る。
な、なんだ? 靄が・・・かかったように
彼を隠す。
チェース
冒険者・・・
ぼんやり浮かぶ文字。
正体を隠している?
って、ほかのステータスが見えない・・というか
名前もかすんでいる。
・・・・っ。感じたことのある魔力。
強くて優しい・・・
彼の耳飾りを中心に彼を隠すようにその魔力がまとわりついている。
いや、まとわりついているんじゃない・・・
力の流れは おかしい。
僕がぶしつけに見てしまったからか、
彼は一瞬 戸惑うように 笑った。
きらり、と 光る耳飾り。
それを探る。
あぁ。わかった。
だから、
だから、
彼の力を 抑えている・・・のか。
あの耳飾りの力は「王宮魔導師バームス」様だ。
あぁ、懐かしく、知っているはずだ。
僕を・・・救ってくれた優しい魔力だ。
そうか。
彼はーーーー
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温室を案内し
彼・・・冒険者チェースも、僕が「ジョイル」だと認識したらしい。
そっかぁ。と向けられた笑顔は
あの頃と、変わらない 笑顔だ。
お嬢様が 食事に同行せよというのを、
冒険者チェース様は断った。
「だから、はっきり言うと、一人になりたいんっすよね。
ずっと付き添うのも 気を張って大変なんで
そろそろ警備を交代します。」
はっきり言ったけど、
そうだろうな、と思った。
お嬢様の下から上から 結界で守っていて
常に遠視魔法まで使っているように見える。
お嬢様についている護衛も使っているから
お嬢様は一国の王ぐらい 『守られている』
お嬢様はぷりぷり 怒りながら 食事へと向かったが
風魔法を彼にぶつける。
とっさに結界を張るっ 間に合わないっ。
後ろに控えていた護衛が マントではじく。
よかった。間に合った。
魔力回復の お茶をもらってたようだけど
あの制度の術を 隣の領地からずっとかけていたのか
きっと魔力切れを起こす・・・。
どうしようか、と 迷ったのも一瞬。
僕は 彼の部屋をノックしたのだった。


