*
*
僕は、ジョイル=シャボンワーク。
シャボンワーク=シティを収める
シャボンワーク家の養子だ。
遠縁の僕を引き取って 養ってくれたことを本当に感謝しているんだ。
*
シャボンワークの町では
年に一度『花祭り』という大きな祭りがある。
「ジョイルの増幅魔法も上手になってきたね。
今年の 祭りでは「光の術師」として参加する?」
「・・・!!ほんとですか!ロックパティ様!」
「もー 兄様ってよんでって 言ってるのに。
まぁ、今回 ユリカも「台車」で来るらしいし。
光の魔術師も王都から来るらしいからな。」
「台車?ですか?」
「うん。今 王都ではやってるんだって。
移転魔法じゃなくて、わざわざ 風魔法をかけて
台を動かす奴。」
「・・・そうですか。」
ユリカ様も来られるのか。
ユリカ様はロックパティ様の婚約者で、見た目は幼い女の子だが
ロックパティ様と同い年。
くるくる変わる表情がどこか人を引き付ける、そんな女の子。
ユリカ様は山を抜けた
海沿いにある領主の お嬢様だ。
何度か 顔を合わせているが『成長』されている様子はないが
どうやら妖精と人族のハーフらしく、あと一年ほどしたら急に『成体』になるらしい。
純粋な妖精であればもっと成長スピードは遅いらしいから
それに比べたら 早いんだ。と ロックパティ様は楽しそうに話してくれた。
ちらり、と 外を見ると
シャボンワークの町の名前にもなった 丸い透明なシャボン玉のような球体が
街の上空で ぷかぷか と浮いているのがわかる。
祭りでは、新しくその透明な球体を一斉に 空へと新たに浮かべるのだ。
シャボンの花が 光の術を受けて浮かび上がるその様子は
三大祭りにあげられるほど 美しい。
相変わらず、きれいだな。
空を見上げることができたのは、こちらに来て
一年ほどたってからだった。
あぁ、と そこに 光に反射するシャボンの球体を見て
綺麗だな。と 強烈に思ったのを覚えている。
「ジョイル?」
「・・・では、ロックパティ様。
僕は、勉強を・・・」
「ジョイル?君はもう勉強しすぎだって。
学者にでも成るのかい?」
「・・・では、光の術師として 祭りに出るのであれば
特訓を・・・」
「ジョイルー!今日の分は魔力訓練終わっているだろ?
やりすぎて また、 倒れたら、僕もたおれるよ!」
なぜ?
思いっきり顔をしかめたら
ロックパティ・・・兄様は 頭をぐしゃりとやった。
「ほら、
そんな顔しないで、 温室で花に 水と守りをかけてくれるかい?
祭りに使う花だから、様子を見ておいで。」
「・・・わかりました。」
軽く頭をさげて、温室へと向かう。
僕の、勉強のレベルは、
こちらに引き取られて来た時点で「学園卒業レベル」には達していた。
第二王子とともに勉学を励むうちに
どんどん 進んでいたらしい。
あのレベルの問題を さらりと解いていたフランチェスコ王子。
温室について シャボンの花の様子を見る。
奥で、庭師が軽く頭を下げるのでこちらも 軽く頭を下げる。
領主の弟なんだから、頭を下げるな。と義兄は言うが、
僕は確実に「シャボンワーク」の血を引き継いでいない「よそ者」だからな。
この花は シャボンワーク、この地を収めている領主一族の『血』で育つ。
僕は、ただ
光を集めて、花が 痛まないように 結界をかけるだけだ。
ここに来て初めて 「光」の適性があってよかったと思える。
生まれつき光の反射というスキルを持っている僕には
光の魔力を人より使いやすい。そして、もともと
僕の生家は『呪術』に長けていた。
ここにきて、あの 家に・・・感謝するとは。
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僕は、ジョイル=シャボンワーク。
シャボンワーク=シティを収める
シャボンワーク家の養子だ。
遠縁の僕を引き取って 養ってくれたことを本当に感謝しているんだ。
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シャボンワークの町では
年に一度『花祭り』という大きな祭りがある。
「ジョイルの増幅魔法も上手になってきたね。
今年の 祭りでは「光の術師」として参加する?」
「・・・!!ほんとですか!ロックパティ様!」
「もー 兄様ってよんでって 言ってるのに。
まぁ、今回 ユリカも「台車」で来るらしいし。
光の魔術師も王都から来るらしいからな。」
「台車?ですか?」
「うん。今 王都ではやってるんだって。
移転魔法じゃなくて、わざわざ 風魔法をかけて
台を動かす奴。」
「・・・そうですか。」
ユリカ様も来られるのか。
ユリカ様はロックパティ様の婚約者で、見た目は幼い女の子だが
ロックパティ様と同い年。
くるくる変わる表情がどこか人を引き付ける、そんな女の子。
ユリカ様は山を抜けた
海沿いにある領主の お嬢様だ。
何度か 顔を合わせているが『成長』されている様子はないが
どうやら妖精と人族のハーフらしく、あと一年ほどしたら急に『成体』になるらしい。
純粋な妖精であればもっと成長スピードは遅いらしいから
それに比べたら 早いんだ。と ロックパティ様は楽しそうに話してくれた。
ちらり、と 外を見ると
シャボンワークの町の名前にもなった 丸い透明なシャボン玉のような球体が
街の上空で ぷかぷか と浮いているのがわかる。
祭りでは、新しくその透明な球体を一斉に 空へと新たに浮かべるのだ。
シャボンの花が 光の術を受けて浮かび上がるその様子は
三大祭りにあげられるほど 美しい。
相変わらず、きれいだな。
空を見上げることができたのは、こちらに来て
一年ほどたってからだった。
あぁ、と そこに 光に反射するシャボンの球体を見て
綺麗だな。と 強烈に思ったのを覚えている。
「ジョイル?」
「・・・では、ロックパティ様。
僕は、勉強を・・・」
「ジョイル?君はもう勉強しすぎだって。
学者にでも成るのかい?」
「・・・では、光の術師として 祭りに出るのであれば
特訓を・・・」
「ジョイルー!今日の分は魔力訓練終わっているだろ?
やりすぎて また、 倒れたら、僕もたおれるよ!」
なぜ?
思いっきり顔をしかめたら
ロックパティ・・・兄様は 頭をぐしゃりとやった。
「ほら、
そんな顔しないで、 温室で花に 水と守りをかけてくれるかい?
祭りに使う花だから、様子を見ておいで。」
「・・・わかりました。」
軽く頭をさげて、温室へと向かう。
僕の、勉強のレベルは、
こちらに引き取られて来た時点で「学園卒業レベル」には達していた。
第二王子とともに勉学を励むうちに
どんどん 進んでいたらしい。
あのレベルの問題を さらりと解いていたフランチェスコ王子。
温室について シャボンの花の様子を見る。
奥で、庭師が軽く頭を下げるのでこちらも 軽く頭を下げる。
領主の弟なんだから、頭を下げるな。と義兄は言うが、
僕は確実に「シャボンワーク」の血を引き継いでいない「よそ者」だからな。
この花は シャボンワーク、この地を収めている領主一族の『血』で育つ。
僕は、ただ
光を集めて、花が 痛まないように 結界をかけるだけだ。
ここに来て初めて 「光」の適性があってよかったと思える。
生まれつき光の反射というスキルを持っている僕には
光の魔力を人より使いやすい。そして、もともと
僕の生家は『呪術』に長けていた。
ここにきて、あの 家に・・・感謝するとは。


