なにやら、挙動不審でいろいろ誤魔化したけど
誤魔化されたのか、よくわからんが
とりあえず、
「夕食です。旦那様がお待ちです。」
と、呼びに来た侍女のおかげで、助かった。
はー、ビビった。
まさか、こんなところで 昔の知り合いに出会うとは。
知り合いっていうか・・・
アイツ急にいなくなったんだよなぁ。
ちょっとさみしかったのも思い出した。
「ほら、行くわよ。チェース。」
「お言葉ですがお嬢様。
俺 部屋に下がっていいデスカ?」
「っ。なぜ?私が一緒に 食べようといってるのよ?」
「いやいや、あなたが良くても
こちらは『お友達』の屋敷でしょう?
さすがに単なる『冒険者』で同行しているだけの俺が
同じ席にはつけないでしょう。」
それくらいの常識は持ってるぞ。さすがに。
「あら、そんなこと。
ロックパティは気にしないわ。」
ふん、と エラそうにお嬢様は言ってのける。
「あー、別にロック様が許そうが
ユリカお嬢様が許そうが、そういうことではなくて
俺 自分の荷物をほどいたり、したいんですよね。」
「あとででも・・・」
「だから、はっきり言うと、一人になりたいんっすよね。
ずっと付き添うのも 気を張って大変なんで
そろそろ警備を交代します。」
さすがに、朝から長時間労働すぎる。
てかさ、さすがに屋敷内でお嬢様を狙うとか危険とかないと思うけどさ
冒険者として同行者としてのレベルしか求められてないとしても
常に、彼女に結界を張ったり、
周囲を探知したりと じみーーに疲れてんだよな。
休みたい。
朝からだから 結構魔力消費してるって。
廊下のところで控えていたお嬢様付の護衛に合図をして
引継ぎを勝手にする。
護衛の青年は少し困ったように笑ったが
警備を変わります。と 言ってくれる。
ふと、隣を見ると、
お嬢様が顔を真っ赤にして 口をパクパクさせてる。
あ、怒ったか。
「っ。わ、私の隣が嫌だというの?!」
「そんな話じゃないと思いますけど。」
「う、うるさい。口答えなんて、生意気だわっ。」
お嬢様の魔力が ぶわっと、風になって俺に向かってくる。
うわ、避けられないし 残り魔力では防御は無理っ。あたる!!!と思った瞬間、
ばさっと、護衛の一人がマントを使って風を遮るがマントがピりっと裂ける。
げ、刃系の攻撃魔法かよ。こんなところでバカなのか?
とりあえず、今日の仕事は終わりだ。
もういいわ!!なんて言いながらお嬢様は怒りながら
護衛を二人引きつれて ずんずん進んでいった。
一人残った護衛は
「すいません。チェース様。」
「いえいえ。 護衛の皆さんが
きちんと、結界を張っていいたのはわかるんですが
一応 「同行者」ですしねぇ。」
護衛の人のよさそうな男はそっと 回復のお茶の葉を渡した。
ありがたい。マジで。
丁寧にお礼をいって、
やっと俺は与えられた部屋に下がったのだった。


