僕のペースを乱さないで


『ほんとに?』

キミの声が少しだけ明るかった気がした。


キミが元気出してくれるなら、
今日はネコに徹してもいいよ。


キミは相変わらずな甘い声で、

『あの、にゃんこのおなか触るのが好きなんです』


って、
わけのわからないことを言った。


それがなにか・・・


『おなかさわってもいいですか?』

は?
僕の?

キミは僕の返事なんか待たずに、
おなかのほうに手をのばしてきた。

『え?マジで?』


嘘でしょ?
思わず腹にチカラが入る。


キミの手が、シャツ越しの僕の腹に触れた。

ドキ・・・

緊張して、僕は無意識に息を止めていた。

キミのてのひらの体温が伝わってくる。

『すごーい・・・』

キミはゆっくり僕の腹をさすった。

『6コに割れてる・・・』

キミの声は今日イチ明るい声だった。



キミの指が僕の腹筋をなぞる。

くすぐったい。

キミはもう仰向けではなく、
僕側を向いていた。

目はタオルで隠したまま。