僕のペースを乱さないで

キミの笑顔をみてほっとしたのか、
僕はもうひとつ同じグラスを持ってきてミネラルウォーターを注いだ。
自分の分として。

グラスを持ってソファーに座って一口飲んだ。


『藤川くんも・・・お酒のめないんですか?』

ミネラルウォーターを飲む僕を見て君が言った。



『あぁ・・・僕はわりと強いほうですね』
僕はこたえた。


『じゃあ お酒のんだらいいじゃないですか』
って、
キミはなんにも考えずに居酒屋かなんかのノリで言ったんだろう。



お酒のめばいいって・・・・


本気でいってんのかな。



キミって・・・今どういう状況かわかってんの?



男と女が二人っきりでこんなラグジュアリーなホテルで、

しかもベッドひとつしかない部屋ん中で、


男に酒飲ませて、

なんかあったらどうすんの?

いいわけ?襲っちゃっていいわけ?


てか、誘ってんの?


また、いつもの心のなか、

ひとりニコニコ動画状態になってたけど、
それを遮って僕はこたえた。


『僕、紳士なんで』