僕のペースを乱さないで

『誰にも会いたくなかったのに・・・

こんなとこ誰にもみられたくなかったのに・・・


なんで私をみつけたんですか?



なんでほっといてくれなかったんですか



なんでこんな日に・・・』


キミは泣きながら、


右手で僕の左肩をポコポコパンチしながら、
僕に文句を言った。


僕はキミにパンチされながら、
キミの言葉を聞きながら、
心のなかで自分のKYぶりを反省した。


ゴメン・・・そうだよね。

なにがあったかわかんないけど、

僕ごときに弱ってるとこみられたくないよね。

迷惑・・・だったよね。



ここから立ち去った方がいいのかな。



でもキミちゃんと帰れる?


足元は軽い小川になるくらい、雨半端ないよ?


傘飛ばされるくらい風だって強烈なんだよ?



この状況でキミを置いて帰らないといけないことがいちばんツラい。


けど、キミはそれをいちばん望んでるんだよね。



僕は心がちぎれそうに感じながら、
ここをひとりで立ち去る心の準備をしていた。



『そっとしといてあげられなくてごめんなさい。


僕いないほうがよかったですね。
大きなお世話でしたね。僕消えますね。

早瀬さん、ちゃんと帰れますか?』



でも、次にキミが言い放った言葉は・・・



『帰れませんよ・・・



みてわかんないんですか??』



グーパンは継続で、キミは僕の想像と真逆のことを言った。



えっ!?



なにそれ。





どうしたらいいの?
どうしてほしいの?


僕はさらに混乱していた。


でも嬉しかった。

このままキミを置いてかなくていんだよね?


『ひとりで帰れないなら送らせてください。

今ここで早瀬さんを置いて帰るより
そっちのほうがよっぽど精神的に楽なんで。

あと、ホントにそろそろ台風ヤバいんでもう帰りましょ?』


僕はもう決めたんだ。


キミを家まで送り届けるって。

じゃないと心配で今日眠れないよ。