僕のペースを乱さないで

強い雨と風はやまない。


時折吹く突風に
僕の傘をもっていかれそうになる度に、
徐々に強くなってきている風の強さと雨の冷たさを感じた。


すでに僕ももう、傘をさしてもささなくても
変わらないほどずぶ濡れになっていた。


僕はもうあきらめて傘を閉じた。

そして、君のとなりに座った。



キミは驚いた顔で、横に座ってる僕のほうをみた。



『どうして・・・』



きっとキミは、今顔を見られたくないんだろう。

だから、僕はキミのほうを見ずに前を向いたままこたえた。


『もぅ見つけちゃったんですから、
こんな雨のなか、早瀬さんひとり置いて帰れないでしょ』



キミは戸惑いながら

『でも・・・』

ってなにか言おうとしていた。



でもじゃない!

『でもじゃなくて!

ほっとけないって言ってるんです!!』


キミの言葉を遮るように、
思わずキミの顔をみて僕は言った。

キミと目が合った。


あぁ、やっぱりキミは泣いてるんだね・・・

雨で濡れてわかりにくいけど、
キミの顔は「泣き顔」だった。