僕のペースを乱さないで

ある土曜日、
僕は休日出勤をしていた。

大型の台風が来るとかで、
物流がとまる可能性と週明けの通常業務ができない可能性が高いということで、
その前に手を打つ必要があったからだった。

会社で先回りの手配をかけて、
納品データのDVDをクライアントの本社へ届けた。

これで今日やることは全部おわった。
時計をみたら、17:30をまわったところだった。

いつもなら差し込む光でもっと明るいはずなのに。

窓の外を見ると、
空は分厚いグレーの雲に覆われて、雨と風が大変なことになっていて、
木とか折れそうなくらい枝がざわざわ揺れていた。

ヤバいな・・・外出たくないな

って思ったけど、

予報ではこのあとどんどんひどくなるってことだった。

気合いを入れて、外へでた瞬間、
強烈な雨と風に叩きつけられた。

うわッ!

傘を開くのも手間取った。


クライアントの会社から駅まで、
広い公園の中を通ると近道だった。

僕は風で飛ばされそうになる傘を両手で強く握りながら公園の中を進んだ。


時おり、強風に煽られて、傘を持ってかれそうになりながらも歩いてたら、

公園ベンチで傘もささず座ってる人がいて、

ヘンな人だな
って思いながら通りすぎた。

通りすぎて、
15メートルくらいすすんだあたりで、

ん?

僕は立ち止まって、
目を閉じた。

脳裏に残像を映し出した。

あれ、もしかして?

僕は振り返った。

雨でよく見えない


でも・・・あれって・・・