僕のペースを乱さないで

定例ミーティングが終わって、
会議室を出ようとしたとき、
西島さんに声をかけられた。

『藤川さん!少し話しませんか?お時間あれば。』

『あ、はい。大丈夫ですよ』

特に急ぎの用もなかったので、
僕は応じた。

社内カフェテリアで
アイスコーヒーを飲みながら、
フランクな話をした。

キミが不在なことの謝罪からはじまり、
部署内にできる人が他にいなくて
キミへの負荷が高くなってしまって
オーバーワークにつながっているなっていること、
それを分散させるべく
西島さんが人員の調整を図ってること等の話だった。

『早瀬言ってましたよ、
藤川さんに迷惑かけまくってて申し訳ないって。

なんてったって、
藤川さんは早瀬の「どストライク」らしいですから。』

なにが?
意味がよくわからなくて聞き返した。

『え?』

西島さんはハッとした顔をして、

『あ、これ言っちゃいけないヤツだったかもしれない。

内緒ですけど、
早瀬、藤川さんのこと、かっこいいって
キャッキャ言ってましたよ』


え・・・
そうなの・・・
『あ・・そうですか。それはどうも。』

内心驚いて、顔がニヤけそうになりながら、
そこは顔に出さないように気を付けながら返事をした。


『ま、でも 相手いますけどね、早瀬』

西島さんはサラッと、浮かれていた僕を突き落とすようなことを言った。

『あ・・・そうなんですか。』

僕は顔に出さないように気を付けながら、
さっきと変わらない口調でこたえた。

そっか・・・いるんだ・・・そういう人。