「好きみたいだ、渡瀬のこと」 小林先輩は、腕で自分の赤い顔を隠した。 「わ、…私も、好きです。 先輩といると楽しいし、ドジなとこ可愛いし…」 「…ドジじゃねぇ」 「だって、昨日だって…」 「渡瀬といると、そうなるんだよ」 そう言うと、小林先輩はカウンターから身を乗り出して麻子にキスをした。 ふと麻子の心に浮かんだ 「私は貸し出し、返却期限無しです」とかいう寒いセリフを、麻子は空気を読んで心の奥底にしまった。 後日思い出して口にしたが、先輩は華麗にスルーしたのだった。