「ユウさん!どうして私じゃ駄目なんですか?」
「離れろ!」
夜の宴会。
椎名雪乃さんはどうやらお酒に弱いようで、何口かビールを飲むとユウに絡み始めた。
ユウと腕を組み、楽しそうに笑っている。
「いったい【BLUE GIRL】のスタッフの誰と付き合ってんのよ!」
「だいたい今まで全てのスキャンダルを否定しておいて、今回はどうして認めるの?本気ってこと?」
椎名雪乃さんの甲高いクレームを、お酒を飲みながらユウは面倒くさそうに聞いていた。
私はコーラを飲みながら、ピザを頬張る。
明日からの撮影のために体力をつけなければと無理して食べたが、余計に気分が悪くなった。
監督が今後の撮影の方針と意気込みを語っていたが、少しも頭に残らない。
ただ雪乃さんがユウの首に手を回す様子だけは、見たくなくても目に入った。
「ユウ、雪乃さんを部屋に運んでやってくれ」
「……ええ」
監督の言葉にユウは仕方なさそうに、雪乃さんを抱き上げた。
軽々と雪乃さんを抱き上げて部屋から出て行くユウに叫びたくなる。
私だって、体調悪いんですけど!


