こっそりマネージャーさんから教えてもらった。
ユウは、事務所からのお給料の大半を病院に寄付していると。
初対面のあの日、話題性になるから【BLUE GIRL】への出演を決めたと言っていた。
話題性がある作品はお金儲けになる、そのことを悪い方へ受け取っていたけれど。
優しいお金の使い道だってあるのだ。
「悪いな、騒がしくて」
車に戻ったユウは金髪のヴィッグを外した。黒髪にしていることは秘密だと、変装してデパートに入ったのだ。
その代わり、すぐに気付かれちゃったけど。
「私は買いたいもの買えたから大丈夫だよ」
「それなら良い」
「…寄付のこと、知りませんでした」
「言ってないからな」
「【BLUE GIRL】をヒット作品にしましょうね!」
「俺様が出るんだから当然だ」
ユウの意地悪なその笑顔がひどく頼もしく思えた。


