「優しいんですね」 「俺の名前、知ってる?"優しい矢"と書くんだぞ」 「本名ですか?」 「ああ。おまえは…ペンネームか?」 「ええ」 本名を聞かれるのかと一瞬、ドキッとしたがユウは興味がないようで台本に何か書き込みをしていた。 「私、昔から暗記が苦手なんですよね」 「原作者のおまえがなに言ってるんだよ」 「そう言われても…」 「理子の気持ちは、お前が1番分かってるんじゃないのか」 自身の左胸を右手で叩いた。 カメラが回っていない時まで、やることがカッコいいんですけど…。