「ユウはどんな気持ちで【BLUE GIRL】を読み終えた?」
「別に」
「別にって…。ファンレターには元気を貰えたとか、海とリョウの愛に涙したとか色々書いてあったよ?」
見慣れない黒髪のユウに問う。
話題性になるからという理由だけで映画のオーディションを受けて、トレードマークであった金髪もやめたの?
「俺、言ったよな。【BLUE GIRL】は好きじゃないって。金になるから、オーディションを受けた。けれど金をもらう以上、生半端なことはしないから安心しろ」
「ユウはお金でなんでも欲しいものが手に入ると思ってるの?」
お金があっても人は幸せにはなれない。
そこに大切な人がいなければ、幸福など絶対に感じない。
ユウは私の質問に答える気はないようで、眠たそうに目をこすりながら台本を読み始めていた。
仕事をしてるユウの邪魔をしたいわけではないため私も台本に視線を戻す。


