BLUE GIRL


「眉間にシワ寄ってるけど」


隣りに温もりを感じたが、無視して台本を読む。台本をもらったその日に読み合わせなんて無理だと思ったが引き受けた以上、真剣に向き合おうと決めた。


「はあ」


はい?
人が真剣に読んでいる時に、隣りから欠伸の音が聞こたのですが…


これから読み合わせがあるというにも関わらず、瞼を閉じているユウの肩を揺する。


「ちょっと、真剣にやってくれます?」


知り合って2週間。
今日で2回目の顔合わせだが、やはり好きになれない。

真剣にリョウを演じてくれても、この人を一生、好きになれないだろう。



「真剣だけど?」


「寝てるのに?」


「朝までドラマの撮影だったんだよ。うるせぇな」


腕組みをしてユウは相変わらずの冷たい表情を向けてきた。

しかしその睫毛が長いことが、悔しすぎる。


「本番が楽しみですね。いくら見た目をリョウに似せられても、演技が下手なら話にならないですし」