『まぁ日を改めて祝おう。この間は迷惑かけてごめんな』
「まったくだよ。新曲の進捗はどう?」
『それが後少しで完成しそうなんだ』
電話越しでも分かる。
Ryoの声はとても明るくなった。
その前向きさを取り戻すきっかけを作った人は私でなく、ユウだ。
『あいつにもお礼しないとな』
「そうだよ!食事代と、カラオケ代と、タクシー代!全部ユウが払ってたよ!」
『…新曲ができたらおまえたち2人に真っ先に聞いて欲しい』
「楽しみにしておくね」
ユウは私だけではなく、Ryoへの心境も変えた。
芸能界で輝くスターだからでなく、
ユウ個人がもつ魅力に誰もが引き込まれていく。
悔しいくらい、いい男だ。


