BLUE GIRL


翌日、久しぶりに洋服を買いに出掛けた。


朝、リビングのテーブルの上に可愛い封筒が置かれていた。母からの誕生日プレゼントのようで、中にはお金が入っていた。


早速、そのお金を握り締めて近所のデパートへ向かった。入口のカフェで高校生が楽しそうに食事をしている。


制服中心の生活をしていた頃、休日にたまに遠出する時は可愛い服を海が貸してくれた。
理子ももう少しお洒落に関心を持って、なんて小言を言いながらメイクもネイルもしてくれた。


どうせなら海と一緒に買い物をしたかったな。私に似合う服を選んで欲しかった。


少し背伸びをしたワンピースを手にとる。
居酒屋には不釣り合いだけれど。
誕生日はこれくらいの贅沢は許されるよね。


ついでに少しヒールのあるサンダルも買っていると、電話が鳴った。


表示されたRyoの名前に、通話ボタンを押す。



「もしもし?」


『ハッピーバースデー!今夜、飯買いに行こう!』


「あ…、今日は遅くまで撮影だから、気持ちだけもらっておく。ありがとう」


『なんだよ…』


ユウを優先したわけではない。
先にした約束を守っただけだ。