本当に私を送っていくことだけが目的だったようで、黙って私の後をついてくる。
片耳にイヤホンがついていて、自分の世界に入っているようだ。真っ直ぐ帰ればいいのに…。
「今日、雪乃さんと仲よさそうだったね」
「そうか?」
「あなたが私に飽きたら、告白するって雪乃さん言ってたよ」
「へぇ。それより、明日空けとけよ」
「明日?」
明日は朝から夜まで撮影だが、理子の出番はない。2人の甘い演技を見たくないため、私はお休みをもらう予定だった。
サングラスとイヤホンをとり、
「7月31日。おまえの誕生日だろ」
いつかの約束をユウは口にした。


