順調に進む撮影の合間の休憩時間、ユウと雪乃さんはよく話すようになった。
雪乃さんが共演者としてユウに接しているため、彼も拒む理由がないようだ。
熱心に次の演技について語っている。
そこに私は入れない。
「ユウさんもそう思うでしょう?」
「そうだな」
雪乃さんの言葉にユウが顔を綻ばせていると、落ち着かずに目を逸らした。
【BLUE GIRL】の終盤は海とリョウの2人きりのシーンが多くなる。
私は2人の邪魔にならないよう、お見舞いに行く時間を決めていた。恋人同士の間に図々しく居座るようなことはしたくなかった。
今日の撮影も、雪乃さんとユウがメインだった。
目の前に繰り広げられる光景に、
過去を思い出し、傷口に塩を塗られている気分だった。
私は、
海の隣りにいたリョウを、
雪乃さんの隣りにいるユウを、
好きになってしまったからーー


