翌日、私と優斗は一緒に学校に向かった。

もちろん弘夢も一緒に。

ほんとなら恋人なんだから気を利かせて二人で登校させてほしいなんて言わないけど。

学校に着いた私たちは教室に向かった。弘夢とは下駄箱のところで別れた。

「おはよう」と声をかけてきたのは、あっくんと彼女の澪華ちゃん。

「おはよう」と私は返した。

「実はさ…ちょっと相談あるんだけど」といきなり優斗は言う。

「…私たち?」と澪華ちゃんが聞いてくれて。

「そう!二人に!」と私は言った。

「俺たちしばらく恋人のフリする事になったんだ。それで…」と優斗が言うと、

深い理由は聞かなかったが理解したのか、

「なるほどね!二人が付き合ってる定で話を合わせればいいのね?」と澪華ちゃんはいってくれて、私たちは頷いた。

「俺は1ヶ月で片付くと思ってるんだけど、コイツ、3ヶ月はかかるって言うんだよ!どう思うよ?」と優斗は言う。

「…3ヶ月もフリ持つの?」と純真な顔してあっ君は言った。

「私たちは幼なじみよ?付き合いもそれなりに長いんだからなんとかなるわよ」と私が言うと、

「まあいいけど」と、あっ君は言った。

「あら、あっ君、もしかして、あなたが恋人のフリしたかったとでも言いたいの?」と澪華ちゃんは楽しそうに言う。

「俺の方が仲は良い」とあっ君、

「確かに…」と澪華ちゃんは笑ったが、

「って、そういう問題じゃないわよ!あっ君」と続けた。

「まあ、冗談じゃん‼ヒロにその気にさせるような演技をすれば良いだけだろう?って、やるのは俺じゃないけどな」とあっ君は笑った。

「ていにしろ、俺の女なんだからこれからは壁ドンはやめろよな?ただでさえ、お前は人と話す距離近いんだから」と優斗は言った。

すでにもうスイッチ入れているらしい。

「何?壁ドンって…あっ君?」と澪華ちゃんはにらむ。

「良いじゃん。それくらい…」とブツブツ小さな声でいうあっ君。

「…あ?俺は嫌じゃないけど、アイツはかなり嫌がるぞ?」と優斗は言った。

「壁ドンってほんとに何よ?私にはしたことないわよね!?あっ君!」と澪華ちゃんは言った。

「もういいじゃん!ほら、授業始まる‼」とあっ君は言って歩き始めた。

私たちもとりあえず歩き始めた。

授業が始まる。私は一応授業も真面目に受けている。

お昼休みになると、いつも来るあっ君の代わりに優斗が来た。


私と優斗はお弁当を食べ始めた。

あっ君は澪華ちゃんとランチしてるけど、ぶつぶつ言っていた。

痴話喧嘩?周りは微笑ましそうにその光景を眺めている。