キミだけが知らない想い

翌朝ー

家を出るとすでに弘夢がいて、

「おはようございます」と笑ってくれた。

優斗も「おはよ」と声をかけてくれる。私は二人に笑顔でおはようと返した。

「俺先行くから、ゆっくり来いよ?」と優斗は言って、早歩きで去っていった。

気遣ってくれたのだと私たちは顔を見合わせて笑い、手を繋いで歩き始めた。

「これからは俺に頼ってくださいね?」と弘夢が言うので頷いた。

他愛なく、会話しながら学校へ向かった。

「ねぇ…昨日は、優斗と…」と私が言うと、

「兄貴とちゃんと話したから大丈夫だよ?怒ってもないし。兄貴にもちゃんと幸せになってもらわないといけないしね?」と弘夢は言ってニッコリ笑った。

私が心配してたより、ずっと大人だった。

学校につくと、周りがざわついている。

そりゃそうよね…こないだは優斗が俺の女に…って怒ってたものね?

けど私たちを知る人たちは暖かく見守ってくれてたっけ。

優斗が近くにいたからいじめられないって強く思ってたし、怖いものは無かったけど…やっぱり少し不安…

そんな私を察したのか、耳元で優しく「大丈夫ですよ。センパイ…俺が守りますから…愛してますよ」なんて囁いてくる弘夢に私は顔を真っ赤にした。

そこに空気読まないあっ君登場!!

「おっはーやっとうまく言ったんだってね?長かったね~片想い!おめでとう」と祝福してくれるあっ君と澪華ちゃん。

そのおかげか、周りのざわつきは収まった。

おかげで私たちはそのまま何事もなく教室に向かえたのだった。

午前の授業を終えたお昼休み、教室のドアの方からキョロっと顔を覗かせる弘夢。

可愛すぎるんですけど!!

「…ヒロ、何してんの?おいで?」と私が言うと、ニコッと笑って私のところに来た弘夢はお弁当を私の机に置いて一緒に食べ始めた。

そこにあっ君と澪華ちゃんも来る。

四人でワイワイ食事を始めた。優斗は完全スルーを決め込み、私の方にはいっさい来なかった。

「なんか…寂しいね」とボソっという澪華ちゃん。

「まあ、空気は違うよな。アイツとヒロ真逆出しな」とあっ君は言う。

それを聞いて私は少し切ない気持ちになった。

「…ん…優斗はキャラがいいから、話も面白かったしね」思わず本音が出てしまう私。

「…知ってる…けど、ずっと片時も忘れることなく思い続けてきた俺のことも大事に思って?」と弘夢は言った。

それを聞いて笑い始めたあっ君。

「ヤバイ…マジ、ツボ!」とあっ君は言いながら弘夢の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「あっ君笑いすぎぃ~」と言いながらも、澪華ちゃんも笑っていて、何だか少し和やかになった。