キミだけが知らない想い

「お邪魔しまーす」と元気に入ってきた優斗は、お母さんとお父さんに笑顔を振り撒いていた。

「ワガママで、自己中な娘でごめんね~」というお母さん。

「いえ。いつものことなんでもう慣れてます」と笑う優斗。

「ホントに…優斗君は優しいね。これからもウチの娘のコト想ってやってね」とお父さんが言って、優斗はハイと頷いた。

「あ、後で持っていくわね。お茶…二人で話したいことがたくさんあるみたいだし、ゆっくりしていってね」とお母さんはいってくれた。

なので、私と優斗は2階の私の部屋へと入った。

二人は最初無言だった。

私はとりあえず、お礼を言った。その後、デートの内容を話した。

「連れ出していきなりのキスにはかなり驚いたけど」と私が言うと、「アイツも中々やるな~成功だね!俺らの作戦…そして随分我慢させてたんだな」と苦笑いする優斗。

その後、私は迷うことなく、真相を確かめるため、お父さんとお母さんに聞いたファーストキスの話をしてみた。

そしたらあっさり覚えてるよ。と鮮明な記憶で教えてくれた。

私は唇を噛み締めて泣きそうになる。

「泣くなや!俺の方が苦しいぞ?いくらお前が俺に興味ないからって…昔はあんなに…俺のコト好き言うてくれてたのに弟に取られるとか…無いわ‼マジ」と優斗は笑いながら、私の頭をぽんぽんしてくれた。

「ごめんね。全く覚えてなくて…でも、ありがとう」と私が言うと、優斗は

「まあ、お前の大切なコイビトがヒロで良かったよ。知らねぇクズみたいな男に引っ掛かったりしたらマジでどうしようかと思ってた。蹴り飛ばしてボコボコにしてたかもしんねぇからな」と優斗は言う。

口は少し悪い風だけど、優斗の優しさは伝わってきた。

「大事にしろよ?俺の大事なたった一人の弟なんだからな」と言われて私は頷いた。

「で、ちゃんと話したのか?篤人のファンクラブ入ってる話…」と聞かれて私は頷く。

「納得してくれたのか?てか、アイツ…篤人のコト好きだろ?」と優斗は言うので、話した内容を伝えると。

「…やっぱなぁ。アイツらしいな!絶対そうだと思った!ひいきしやがりまくってるもんアイツ‼」と優斗は更に笑う。

お母さんが持ってきてくれたお茶とお菓子をほうばりながら私たちはほんとに楽しい時間を過ごした。

あっという間に時間は過ぎていく。

「あ、俺そろそろ帰るわ。ここ、メッチャ居心地いいんやけど、アイツそろそろキレそうやし、乗り込んでこられたら迷惑っしょ?」と優斗は言って立ちあがり、部屋を出ていったので、私は玄関まで見送り、「また明日!学校でね!おやすみ」と言ったら、ヒラヒラ手を振って玄関を出ていった。