キーンコーンカーンコーン…
始まりのチャイムと共に勢いよくめくられるテスト用紙。
落ち着け…落ち着け…。
私は自分の心に言い聞かせながら解く。
いつもどおりやればできる。いつもどおり…
小さなミスが私を苛立たせる。くそっ。こんなのに時間かけてる場合じゃないのに!!
時計がイヤに気になって集中できない。
周りのスラスラと進むシャーペンのリズム、今まで見たことのない眼差し、その全てが私の思考を鈍らせる。
あぁっ!なんでっ!!
そう歯を悔いしばったとき、悲しくも終了の鐘が鳴る。
後ろの奴が集めていった回答用紙には、
今まで意地でも作らなかった空欄が、何個も飾られていた。
