校庭の桜が咲き乱れ、斗真が転校してから3度目の春が来た。 大好きな桜の花に、ご機嫌な千里。 スキップしながら桜並木を駆け抜けていく。 ついに千里の姿は角を曲がって消えてしまった。 「千里ー待てって!」 走って俺も角を曲がった。 なぜか大人がたくさん集まってきていた。 ざわざわと、騒がしい。 大人たちの輪の中央には、 血に汚れた横断歩道と 倒れた千里がいた。