里奈は来てた。

「里奈ッ。ごめんね?
こないだはなんていうか、その自分でもわかんなくて・・・。」

「ふっ、ふっ、ははっはははは」

え?
なぁんだ平気なんじゃん★
よかったぁ。

「今の聞きましたかぁ?みんなー。
誰こいつ。こういうときだけ話しかけてくんじゃねえよ」

「里奈?どぉしたの?
ほんとにこないだのはごめ」
「うざいんですけどー。どっかいけやし」
藤川さんたちまで。

どぉなってんの?
こないだまでは藤川さんたちが里奈のことを・・・。

「あんたさぁ、あたしの彼氏とったの里奈に押し付けてたらしいじゃん?」

「は?ちょっと待ってよ。
あたし藤川さんの彼氏とってないし、里奈に押し付けるなんてするわけないじゃん。
ねぇ?里奈?」

「いい加減、ふつうに話しかけてくるのやめてくれない?
あんたとはもう友達でもなんでもない。」

里奈、ごめん。あたしが悪かったの。
全部あたしが悪いんだよね・・・。
ってどうして口に出していえないんだろ。

キーンコーンカーンコーン

あっ、今日の授業は終わった。
でも部活がある。それも里奈と一緒のバドミントン部。
なにされるのかな・・・。

「お願いします」
そう言って体育館に入って行く。

「先輩っ。こんにちは・・・。」

「おぅ!こんちゃー。体調悪いと?」
先輩には伝わってないんだ。
よかった。

「いえ。先輩こそどぉかしたんですか?」

「なんか、里奈、部室でないてるんよ。一人にしといたけ、
こずえ行ってやって?」

「は・・・はい。」

部室のドアを開ける。
誰もいない。
すぐ目に移ったのは、折れたラケットの残骸。
全部、あたしの。
両親が、泣く泣く買ってくれた、ラケット。
原型が分からないほど、折られてた。
なんで・・・。
あたしはそこに立ち尽くした。