そう言う先輩の表情は何だか晴れやかに見えた。


「先輩、私頑張りますからね」


部活も、先輩のことも。


「笹野はいつも頑張ってるだろ?」


「そじゃなくて、もっと。もっともっとです!」


もっと頑張らなきゃ先輩に追いつけない。


その背中に追いつきたい。


私もあんな風に走りたい。


先輩の隣に立てる人に…なりたい。


「お前はいつもまっすぐだな」


「それが私の取り柄なんで!ささ、早くしないと大浴場しまっちゃいますよ先輩!」


そう言いながら急かすと、先輩も立ち上がった。


「そうだな。笹野も早く風呂入って寝ろよ。じゃあおやすみ」


「おやすみなさい」