先輩、好きです。

私もトラックに座り込み、どっと押し寄せてきた疲れを休める。


「おつかれ、渚」


その時、長距離のチームで練習していた梓が飲み物のボトルを持ってやって来た。


梓はそのボトルを私に差し出し、隣に座った。


「ありがと」


「うん。あー、きつかったわ」


「だねー。もう足がパンパンだー」


梓がいる長距離組はひたすら持久力をあげるメニューをこなしてたらしい。


私だったら序盤でリタイアしそうだ…。


私がいる短距離組はどちらかというと瞬発的な速さを重視するから、それをふまえたメニューが多い。


でも、体力には自信があるって言っていた梓がきつかったってことは相当だったのだろう。