先輩、好きです。

「そ、それは無理っすよ!」


「あははっ。短距離の一年生たちよ、私に一瞬でもこの後のメニューで勝てたら、今度好きなもの奢ってやろう!」


その言葉に特に短距離の一年の目が一瞬で獣のようにギラついたのは言うまでもない。


そして、一回目であったまってきていたエンジンを一年生が、2、3回目で爆発させた。


このメニューが終わると、それぞれの種目ごとにメニューが言い渡された。


短距離は男子が近藤先輩、女子は京果先輩が仕切ることになった。


「京果いいか、メニュー通りにやるんだぞ」


「はいはーい」


結局、先輩の俊足に誰もついて行くことは出来ず、ひとつのメニューを終えてかなりの体力を削られるという絶体絶命な運命を一年生は突きつけられることとなった。


そして、メニューの説明をしようと、短距離の選手が集まってくると、近藤先輩が京果先輩に釘を刺すようにそう言った。


「お前絶対自己流でやろうとするだろ…」