ねぇ、振り向いてよ

「どうしたの?」







「私、やっぱり奏多のこと諦めないから。」




「えっ?」



返事は聞く必要はないからもう帰ろう。

私は後ろを向いて帰ろうとする。







その時。




「ちょっと待ってよ。自分の気持ちだけ押し付けて逃げるのはダメでしょ」




「そ、そうだよね」


もうこれ以上辛い思いしたくないのに





「俺も、夕蘭のこと好きだ」




え、心の中がざわめく。

ドクンドクンいって顔が熱くなっていく。



「どうして?」






「どうしてって、俺ずっとお前へのの気持ちに蓋してた。振り回してほんとにごめん。」



えええ。待ってよくわかんない






「あの時、断ったのは、人を愛することを恐れてた俺がお前を傷つけるのが怖かったから。」



じゃあ、あの時両想いだったってこと..?