数分したとき、

向かい側の歩道を同じクラスの男子5人が歩いていた。

傘をさしているのはそのうち二人だけだった。

「おーい!望上(もがみ)!!」

望上は私のとなりの席で、私の好きな人。

を、琴玻(ことは)が呼んだ。

それがきこえたらしく、男子5人がこったに向かってきた。

「なに?」

ちょっと不機嫌そうに答える。

「傘かーして!」

「やだ。」

「なんでーひどい!」

「持ってねーやつが悪いの。」

ちょっと面白くてクスクス笑ってしまった。

するとちょうど私の前あたりにたっていた男子が、こそこそ私を見てニヤニヤしている気がする。

目が合うと、わざとらしくそらされた。