「み、みさ、き...?」



ハッ、と我に帰ると、朔弥が怯える小動物のように私の名前を読んでいた。



「ああ、ごめん、何?」


「...美咲、顔...」


「え?」


「超怖い」


「...。」



何あんた、私の顔に怯えてたの?



「...ごめんなさい。少し考え事をしていたの」



とりあえず、猫かぶりモードの笑顔で取り繕っておいた。