*
「...。」
「...。」
図書館にて、朔弥と二人。
気まずい沈黙が流れる。
今まで、どんな話してたっけ...?なんて、
朔夜を相手に、こんなことを考える日が来るなんて。
「...あのさ」
先に口を開いたのは、朔夜からだった。
「っ、ごめん!その、2回も邪魔して」
「は?」
「だから!...藤堂先輩と、...付き合ってんだろ!」
「....。」
お 前 も か。
これで、通算13回目ね。
ああ、これからあと何回、聞かれるのかしら、これ?
そんな私の、げんなりとした顔を何と勘違いしたのか、
「っ誰にも、言わないから...だから、美咲は、藤堂先輩と、お幸せに...」
何故か苦虫を噛み潰したような顔でそう言う朔夜を前に、私は、すぅっと息を吸い込んだ。
「っだから!修也とは、付き合ってないっての!!」
そして、もう何度口にしたかもわからないセリフ(一部改)が、人気のない図書館に響き渡った。


