「今だけでいいから大人しくしてて」



「はいはい。わかったよ」



「絶対わかってないでしょ」




てか、さりげなく近づいて来ないでよ。




「あと3メートルは離れて」


「それより、今日一緒に帰らない?」


「は?」




私の話、聞いてた?


目を見開いて聞き返した時、




「美咲!」




修也より少し高めの、懐かしい声。

ばっと振り返ると、いつのまにか近くにいた、不機嫌顔の朔弥が立っていた。




「...図書室、行こ」



自分で言っておきながら、気まずそうな顔をして。