「でも今、抱き合って...」



「あれは事故だから」




否定するけど、朔弥はまだ怪訝そうな顔をしている。



続けて説明しようとすると、




『次は、綱引きです。出場する方は準備して下さい』



「...そろそろ行かないと」




朔弥の出場する、綱引きのアナウンスが流れた。




「じゃあ、また後で」



「あっ...」




朔弥はぎこちなく笑って手を振ると、走って行ってしまった。




「見られちゃったねー、どうする?」




修也は、全く気にしてなさそうにそう言ってくる。




「...別に、いいじゃない、見られても。事故なんだから」



「ほんと、美咲は素直じゃないな」