と、松野さんとそんな会話をしている内に、最初の競技、騎馬戦が始まった。


男子は全員参加の競技だから、朔弥もいる。



私も松野さんもグラウンドの方に目を向けた。




「がんばれー!いけぇー!田中ァー!!」




パン!と開始を告げる銃声がなると、松野さんによる超熱血応援が始まる。



名前呼ばれた田中くんは、ビクっ!と肩を揺らした。




「いけぇー!横井ー!!取れー!!」




...あ、朔弥。



松野さんの声援で朔弥を見つける。



朔弥は、ちょうど敵の帽子を取ろうとしているところだった。



小柄で、運動神経もいい朔弥は、もちろん騎馬の一番上。



さらに、騎馬戦の大将に選ばれているようだ。




「ガンバレー!横井ー!」





そして、取っ組み合いの果てに、朔弥が敵の帽子を取った、瞬間ーーー




「「キャーーーーー!!」」




耳をつんざくような、女子たちの黄色い悲鳴が聞こえた。



ギョッとして、思わず耳を塞ぐ。