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クロさんは、わたしが落ち着くまで抱きしめて頭を撫でてくれていて。
しばらくしてパッとついた電気にはっ、と我に帰るわたし。
床に座った状態で、後ろから抱きしめられていたはずが、いつの間にか真っ正面から抱きしめられていて。
な、なんでこんな体勢に…ぶわっと顔が赤くなるのがわかる。
少し身体を離し、見上げるとクロさんの綺麗な顔があって。
目が合うとクロさんが優しく笑うものだからまた顔が熱くなる。
ちょ、直視できない…
「ごごご、ごめんなさい。わたし…雷、苦手で。その…あっ、服…胸のとこも濡らしちゃって…」
すぐに顔を反らしながら言うと
「いいよ。ちょっとは、役に立てた?」
そう言いながらぽんぽん、と頭を撫でてくれる優しすぎるクロさんの言葉にまた泣きそうになったけどぐ、っとこらえて
「すごく!すごく…その、嬉しかったです。」
ありがとうございます、と笑顔で言えば、クロさんは一瞬目を見開いてびっくりしたようだったけど、また優しく笑ってくれて。
ほのぼの、とした雰囲気になってはっと気づく。
「ところで…クロさん家に帰ったのではなかったのですか?」
なんでまだここに?と尋ねればあぁ、と思い出したように玄関へ行くクロさん。
すぐに戻ってきたと思ったら手には大きな荷物。
「え?え?」
と状況が掴めていないわたしにクロさんはにっこり、と笑って。
「優羽。僕行くところがないんだ。だから、ここにしばらく住まわせてくれないかな??」
「はっ!えっえぇー!!」