キーンコーン…
「1日、終わったぁぁ…!!」
うーん、っと背伸びをして、帰る準備をする。
「優羽〜ちょっとどっか寄ってかない〜?」
なんか食べてこーよ!と花が誘ってくれるけど、、、
「ごめん!今日バイト!!」
「あ、そっか。いつものコンビニ??」
「そう!急がないと〜」
「週5でバイトだっけ??お前働きすぎだぞ〜たまには休めよ」
「ありがと、蓮。でもやらなきゃいけなくて…あ!蓮!学校の近くに美味しいクレープ屋さん出来たんだって!わたしの代わりに、花連れてってあげてよ!」
ちらっと花を見ながら言うと、花の顔が真っ赤になってる。可愛い。
「えっ、まぁ…じゃあ花、行く??」
「れ、蓮が、いいなら!いこ!!」
お互い顔を真っ赤にしながら目を合わせず会話してる2人が微笑ましくて思わずふふふ、と笑ってしまう。
この2人、絶対両想いだと思うのに…💕
「ね、優羽!またバイトない日行こうね!絶対ね!」
「うん!またね!蓮!花!!」
荷物を持ってバイトへ向かった。
______________
「はぁぁ、、疲れたぁぁ…」
時刻は午後10時。
バイトが終わり、家に帰る道を急ぐ。
「星見えないなぁ。雨降りそう。」
雷とか鳴らないといいなぁ。苦手なんだよね…
アパートに着き、ドアを開けると、真っ暗な空間が広がっていて。
「クロさん、やっぱり帰っちゃったのか…」
寂しいとか、思っちゃだめだよね…。
ふぅ、とため息を吐き家に入る。
中に入り、机の上を見ると朝ご飯はなくなっていて、お皿が綺麗に洗ってある。
ほんと、律儀だなぁ…。
そんなことを思っていたらピカッと外が光って。
「きゃあ!!」
思わず目をぎゅっと瞑り耳を塞ぐ。
ゴロゴロ…と雷が鳴ったその瞬間、ふっと電気が消えて。
停電!もう、最悪…
そのまま、その場にしゃがみこむと心細さと寂しさが溢れてきて。
「ふっうぅ…クロさん…クロさぁん…」
思わず、ここにいないはずの人の名前を、呼んだ。
「…なに?優羽??」
「…えっ!え、クロさん…?!」
真っ暗で見えないけど…なんで、いるの??
「なんで…?帰ったんじゃ…、ていうか、どこに…」
キョロキョロと周りを見渡していて、気配が近づいてきたと思ったら、後ろからぎゅぅ、と抱きしめられる。
「…大丈夫。僕が、いるから」
ふんわり、と香る良い匂いと心地よいぬくもりに、また涙が溢れて。
___とても、安心した。
