「ここまで疑わしければ十分です.追い討ちをかけます.」

「ふん.勝手にしやがれ.」

「私は岩城の友人です.」

「それは気の毒なこった.」

「その当時,私はホームセンターで仕事をしておりました.」

「で?」

「あの日あなたは,うちのホームセンターにセメントと塗料を買いに来ましたね.」

「さあ.覚えが無いな.」

「あなたの家の”二宮金次郎像”は少し変ですよね.ここを通るたびに思っていました.」

「あくまで”金次郎風”だからな.」

「いえ.これはあなたの自作です.」

「….」

「よく見ると,似てますよね.岩城に.そう,丁度自販機にジュースを詰め込むポーズのような中腰だ.」

「な…何が言いたいんだ.」